こんにちは、長谷川です。
藍染め、泥染め、墨染めはKUONとは切っても切れない職人たちによる天然染色。
それぞれが持つ個性に惹かれてもちろん私も愛用しております。
本当に『愛用』って言葉がぴったりで、年月を積み重ねて表情が変化する天然染色には愛着も湧くし、飽きないし、手放したくないアイテム達です。
春夏には、『涼』を感じる藍染めのシャツを好んで着ているし、
秋冬には、『温もり』を感じる泥染めのフーディを自宅のワードローブから選ぶ機会が自然と増えます。
そして、墨染めアノラックとパンツは、KUONで1番最初に手にした(藤原さんから譲り受けた)アイテムだし、特にパンツは1年を通して着用しているので、生地が擦り減って色褪せも強めですが、今でも一軍で活躍中。
藍染め、泥染め、墨染め、どれが1番好きとかの順位はつけられないけど、今回は墨染めアイテムのご紹介をするので、墨染め贔屓で行きます。
【ご無沙汰の吉野格子】
アイテム紹介の前に何故、吉野格子生地なのか?
2020年秋冬コレクションぶりに吉野格子が登場です。
『ここにきて何故、吉野格子?』って皆さまなっているはず。
吉野格子は日本の伝統的な柄だし、『KUONらしさも感じる。』ってのは間違いありません。
ですが、吉野格子採用に至ったのは、普段の何気ない場面からです。
(店頭レジカウンター後ろの階段を上がるとアトリエ兼事務所)
KUON Flagship Store2階は、アトリエ兼事務所です。
そこで、デザイナーの石橋とシーズンが切り替わるタイミングでアトリエの大掃除をしていたところ、過去のトワル(製品化する前の仮縫いサンプル)が次から次へと出てきて、その中に吉野格子の長袖レギュラーカラーシャツが有りました。
デザイナーと2人で、『今こうやって見ると新鮮だし良いね』とか『夏着たいです』みたいな話をしていて、『コレクションではテーマと離れているから出来ないけど、アトリエラインで作ろうか』と、自分たちが今着たいと思った吉野格子が採用されて、半袖シャツ、シャツT、パンツで制作されました。
それぞれのアイテム紹介に入る前にもう一つ。
【夏にやる初めての墨染め】
(過去にやっているかもしれませんが、私がKUONに入ってからは初めてです。)
私が普段着用している墨染めのアノラックとパンツは、ヘリンボーンの生地なんですが、色落ちと共に年々ヘリンボーンの柄がわかりやすく浮かび上がってきて本当に楽しく着用しています。
生地に凹凸のある吉野格子を墨染めしたら染めムラも楽しめるし、
さらに、表情の変化を楽しめるのではないかと思って、『絶対に墨染めが良いです!!』と墨染めをお願いしました。
(KUONが墨染めをお願いしている工房写真)
しかし、天然染色の中でも墨染めが一番世話の焼けるアイテムだとも思っております。
最初のうちは、
ポケットにスマホを入れているとスマホが灰色になるし、
白Tにも色が移るし、
白いスニーカーも黒くなります。
初めは合わせるアイテムには気を遣うし、ポケットにスマホやイヤホンも入れられない。
ですが、着用・洗濯を繰り返して出てくる味のあるフェード感は、墨染めだからこそのカッコよさがあります。
『世話が焼ける子ほどかわいい』
服好き、服バカの本能をくすぐる、間違いなく愛着が湧いてくるアイテムです。色移りとかが気になる方は購入しない方が良いアイテム。
吉野格子+墨染めアイテムは全部で3型。
【①】
【Yoshino Plaid Short Sleeb Shirts-SUMIZOME】
【②】
【Yoshino Plaid Pullover Shirt-SUMIZOME-】
【③】
【Yoshino Plaid Trousers-SUMIZOME】
3型全て過去に制作したことのある型ですが、
半袖シャツは
以前のモノよりも肩幅がスッキリして、身幅にはゆとりを出しているので、Aラインの美しいシルエットへアップデートされているし、
シャツTは、
着丈と肩幅をスッキリとさせて、袖丈は少し出しているので、上品さと今っぽさが増すようにアップデートされているし、
パンツは、
染色を繰り返しての縮みを計算して、敢えて寸法に変化をさせていませんが、スラックスのような品を感じるシルエットに仕上がっています。
過去の形を、そのまんま作るのではなく、数センチ数ミリ変化させて今の気分やトレンドにも合わせてアップデートされた3型。
『気づく人が気づいてくれたらそれでいい』ぐらいの微調整。
だから、同じ形の服を着ても、『なんだかわからないけど、なんか良い』って高揚感が生まれるのかもしれません。
是非、一度お試しください。
最後までありがとうございました。