The Depth of Indigo Dyeing and Weaving

色とりどりな藍染め

こんにちは、長谷川です。

今回は、創業初期から今シーズンに至るまでKUONのクリエイションを支えてくださっている、KUONにとって、なくてはならない辻村染織さんについてご紹介します。

辻村染織さんには、KUONの生地制作にご協力いただいており、お客様の中にも辻村染織さんの生地を使用したアイテムのファンが多く居ます。

ちなみに今シーズンは、

Aizome Sashiko Kite Shirt

 
Aizome Double Gauze Noragi
 
Aizome Sashiko Hakama Trousers
Aizome Sashiko Hakama Trousers(Available on Fri, March 5)
 
これらの生地を辻村染織さんに制作していただきました。これだけでも、辻村さんの藍染生地の奥深さや色とりどりな表情を感じますね。



それでは、辻村染織さんについてご紹介していきます。

辻村染織

辻村染織

辻村染織は、静岡県浜松市いわゆる遠州地方に位置する、創業150年以上の歴史をもつ老舗工房です。浜松市のある静岡県の西部は、綿花を栽培するのに適した気候ゆえに昔から高い技術を持った職人さんが育つ地域で、今でも日本有数の綿織物産地として知られています。

染色ではなく染織

辻村さんは、染織の字の通り、糸を藍染めするところから織って生地にしていくまでを一貫して行う工房です。手間ひまかけて丁寧に織り上げられている工程の一部をご紹介していきます。

辻村染織

まずは、綛染めには必須の工程、綛上げ。糸を藍染めする際、絞りやすく糸がバラバラにならないようにする作業です。

次に、綛上げした糸を煮て油分や蝋を取り除いて精錬していきます。染色に入る前にも、綺麗に仕上がるようにひと手間ふた手間かけているんですね。

辻村染織

そしていよいよ染色。

精錬された糸が1本1本綺麗に染まるように、藍染め瓶につけていきます。

辻村染織

奥行のある綺麗な藍染めの秘密は、数種類の藍瓶。薄い藍瓶から濃い藍瓶まで用意してあって、精錬された白い糸を薄い藍瓶から濃い藍瓶と順々に染めていきます。

とても手間と体力のいる作業ですが、いきなり濃い藍染め瓶で染色するよりも、順々に濃度を上げて染色した方が、綺麗で良い色に染まるそうです。染色ひとつを見ても、職人さんの真面目さや研究熱心さを感じることが出来ます。

辻村染織

求める藍色になるまで染色を繰り返した後は、糸の強度や滑りをよくするために糊や油をつけて、上の写真の様に糸を干していきます。

簡単に書きましたが、藍染めは気温、湿度そして染液の状態によって染め上がりが異なります。求める色に染め上げるには圧倒的な経験値が必要です。

そして、このあとは糸を織って生地にしていく工程です。

糸から生地へ

辻村染織

まずは織るための準備から。乾燥した糸を巻き取って、チーズと呼ばれるひとかたまりの状態にしていきます。

針金のようなカナと呼ばれる部分に糸をかけていくのですが、丈夫な藍染め糸とはいえ、湿気を吸うと切れやすく、また滑りが悪くなるので、切れないように慎重に巻いていきます。

余談ですが、写真の手前と奥のチーズでは藍染の濃度が異なりますね。

辻村染織

辻村染織

チーズになった糸を、織機にセットするためにビームと呼ばれる巨大なロールへ巻き取ったら、やっと織機の登場です。

辻村染織

ビームに巻かれた経糸をドロッパー、ワイヤーヘルドそして筬という織機のパーツに通していきます。

なんと、1本1本手作業です、、、織る生地にもよりますが何百本何千本の糸を手作業で通すという気の遠くなる作業。

辻村染織

糸を通し終えたら、やっと本格的な『織り』の工程です。

辻村染織

濃淡ついた藍染め糸だったり、白糸を加えたり、様々な工夫を凝らした生地が織り上がっていきます。

辻村染織

150年以上続く辻村染織さんの伝統と新たなモノを作り出す探求心によって、古き良き藍染の風合いをもった生地のみならず、革新的な藍染生地が生まれます。

辻村染織

見覚えのある生地がありませんか?

辻村染色


試行錯誤を繰り返して生まれる辻村染織さんの藍染め生地には、手仕事ならではの温もりと新しいものを見た時のワクワク感が共存していて、毎シーズン本当に楽しみです。

辻村染織

先日、東京で辻村さんが生地の展示会をやっていたので、デザイナーについていって、『青以外はなんなのか!?』直接お話を聞いてきました。

150年以上続く辻村染織さんの伝統と新たなモノを作り出す探求心によって、古き良き藍染の風合いをもった生地のみならず、静岡ならではの茶葉で染めてみたり、草木で染めてみたり、挑戦を繰り返すことで、単なる藍染め生地ではない、革新的な藍染め生地が生まれたんだそうです。

藍染め刺し子

藍染め刺し子生地は、濃淡ある藍染め糸と異なる太さの糸を使用して、刺し子織り機で織られているので、生地に凹凸があり、触るとふっくらと厚みを感じます。生地の厚さによらず、着てみると軽いし、生地が凸凹で肌にふれる面積が少なく、汗ばむこれからの季節もサラッと快適に過ごせます。

 
見て、触って、羽織って、『辻村さんが紡いできた歴史』と『KUONの表現するモダンさ』の織りなすハーモニーを体験してください。 最後までありがとうございます!
 

[辻村染織の生地を使用した商品]

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