
秋の訪れと、冬支度 -デニムとBORO-
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こんにちは。KUON Flagship Storeの藤原です。
この一週間ほどでぐっと秋めいてきましたね。
私は自転車通勤をしているのですが、朝晩はもう上着が欠かせなくなってきました。
寒いのはあまり得意ではありませんが、重ね着や小物を楽しめる秋冬のファッションがやっぱり一番好きです。
STYLE LAB『デニム加工』シリーズへのご好評、ありがとうございます
9月末に発売した『STYLE LAB』の『デニム加工』シリーズが、想像以上の反響をいただいています。
これまでのKUONとはまた異なるアプローチで、より実験的なものづくりに挑戦しています。
多くの方に共感いただけていること、本当に嬉しく思います。
現在はフラッグシップストアの隣のスペースでご覧いただけますので、ぜひお立ち寄りください。
個人的には「ペンキシリーズ」が特にお気に入りで、キモノカラーシャツと2タックパンツのセットアップを愛用しています。
本日のご紹介:『アップサイクルボロ』シリーズ
さて、本日のブログでご紹介したいのは『アップサイクルボロ』シリーズです。
このシリーズは、KUONが2016年春夏のデビュー時に発表した『Vintage Boro Blazer』をベースにアップデートしたものです。
古いものでは150年以上前のボロを使用していますが、この10年でその価値はさらに高まり、入手が極めて難しくなりました。藍染め、綿素材というデニムを想起させるものということもあり、ヴィンテージデニム同様に投資対象にもなっています。
私たちは10年間で築いた信頼できる古美術商のネットワークから素材を仕入れていますが、BOROは日本の美意識や生活文化の結晶でもあります。
だからこそ、KUONでは「使う」だけでなく「未来に遺す」という考え方も大切にしています。
その想いから、5年ほど前からはBOROの使用量を管理しながら制作する一方で、
残布や端切れを再構築する「Vintage Boro Patchwork」シリーズを作るようになりました。
BORO(ボロ)-再生と創造の布-
このシリーズでは、過去のプロダクト製作で生まれたBOROの端切れを大切に保管し、
それをサシコギャルズが刺し子でパッチワークに仕立て直しています。
つまり、すでにアップサイクルであるBOROを、さらにアップサイクルして新しい布に生まれ変わらせているのです。
「リジェネラティブ」という言葉がまさにふさわしい取り組みです。
実はこのプロジェクトの成果は、数年前にイタリア・フィレンツェのサルバトーレ・フェラガモ美術館で1年間展示されました。
伝統と創造が国境を越えて共鳴した瞬間でした。
今季の新作「アップサイクルボロベスト」
今シーズンは、定番のジャケットやコーチジャケットに加えて、新たに『ベスト』が登場しました。
袖がないことでBORO特有の重さが軽減され、より日常に取り入れやすくなっています。
また、個人的に特に気に入っているのが「ファスナー」。
日本が誇るYKKのハイエンドライン「エクセラ」を採用し、BOROにモードでラグジュアリーな表情を添えています。
KUONらしい現代的な解釈だと思います。
インナーとしてはもちろん、アウターの上に重ねても素敵です。
悠久の時を着る
KUONは「久遠」と書き、
“ずっと昔から、ずっと先の未来まで”という意味を持ちます。
私たちはこの言葉の通り、過去から未来へと続く時間を「衣服」という形で紡いでいきたいと思っています。
ぜひ、店頭で「悠久の時を着る」体験をお楽しみください。