
静けさの中に潜む強さ-Boro Striped Shirket-
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今シーズンのKUONは「忍 - Shinobu -」をテーマに掲げています。
日本人のDNAに刻まれた「耐え忍ぶ」「周囲に溶け込む」という価値観を、現代的な視点で再解釈し、日常の中で自然に馴染みながらも、時折小さな違和感を纏う。そこに私たちは静かな強さと柔軟さを見出しています。
その象徴ともいえる一着が Boro Striped Shirket です。
藍染の深みとBOROの記憶
ボディには、藍染の厚地コットンモールスキンを使用。時間と共に移ろうインディゴの色合いは、着る人の暮らしや環境と響き合い、あなただけの表情を生み出します。
両胸にはアップサイクルした襤褸(BORO)を配置。使い込まれた布が持つ独特の温もりとリズムが、規則的なストライプと呼応し、静と動のバランスを象っています。
着こなしの幅を広げるキモノカラー
シャツでもなく、ジャケットでもない“Shirket”という在り方。
その個性を決定づけているのが キモノカラー です。
素材や技術に負けず劣らず、KUONの真骨頂とも言えるこのディテールは、テーラーとして、またパタンナーとしても経験を積んできたデザイナーが「和装の美しさ」からたどり着いたもの。
直線と曲線が共存するカッティングは、羽織や着物の自然な流れを現代服に落とし込み、襟を立てても、折り返してショールカラー風に着ても上品に馴染みます。
腰には便利なアウトポケットとサイドスリットを備え、製品洗いを施すことで、最初からこなれた印象に。伝統的な要素を纏いながら、現代の都市生活に溶け込む設計がなされています。
そして何より、襟を少し抜いた際に生まれる「粋」なスタイルこそ、KUONらしさを体現していると私たちは考えています。
「忍」の美学を纏う一着
忍者の精神性から着想を得た今シーズン。
華美に主張せずとも、ひと目でただならぬ存在感を放つ。Boro Striped Shirketは、まさに「忍」の美学を現代に落とし込んだ一着です。静けさの中に潜む強さを、ぜひ袖を通して感じてみてください。