こんにちは、長谷川です。
『とても素晴らしい裂き織りが手に入りました。』
ご存じの方も多いかもしれませんが、襤褸や裂織は手に入りにくくなっております。そして、言うまでもなく年々希少性が高まり価格も高騰しております。
特に状態の良い裂織は枯渇状態です。
そんな中、色・柄・状態すべて申し分のない裂織が仕入れられたので、ご紹介いたします。
裂織とは?
『裂織』とは、文字通り布を裂いて織り上げ、生地として生まれ変わらせる技法です。
生まれ変わらせると表現したのも、
裂織の誕生は江戸時代の中期にまでさかのぼります。
17世紀になって、それまで麻布しかなかった東北地方に、使い古された木綿布が入るようになってきたそうです。中古とはいえ木綿布の肌触りの良さは多くの人を魅了しました。
また、使い古された布でさえも当時は安いものではなかったため、貴重品として当時の人々は大事に扱っていくうえで『裂き織り』の文化は誕生したといわれております。
1.手に入った古布木綿の端切れを縫い合わせて着物や布団にします。それが劣化するとまた生地を継ぎ足します。
2.1の布がくたびれてくると縫い目をほどいて裂いて紐にして、それを麻糸と織り上げて『裂き織りの生地』としていきます。
3.2が使い古されると裂いて編紐にして、薪を縛るために使用されました。
モノがあふれかえる現代では考えられませんが、当時の人々は知恵を出して生活が豊かになるように次々と新たな用途へと生まれ変わらせていたようです。
この人々の生活の背景から『裂織』は広まりました。
様々な色合いの木綿を継ぎ接ぎしていくことで、貧しいながらもデザインを楽しんだそうです。
(当時の人々が貧しいながらもモノを大事にして、その中で楽しさを見出していた情景を思い浮かべると、物質的には貧しかったはずなのに心の豊かさを感じます。ブログ書いていてなんだか感動しました)
手間暇を掛けた当時の人々の遊び心。
そういった当時の人々の精神的な部分はKUONのモノづくりにもしっかりと受け継がれていると私は感じます。
KUONと裂織
KUONでもブランドスタート時にはコレクションで裂織のアイテムを展開していました。
昔の人々の生活とKUONのクリエイションの融合。
コーチジャケットのように現代のストリートファッションで欠かせないアイテムへ昇華されています。
(このコーチジャケットを藤原さんから譲りうけたんですが、このブログを書いていて本当に大事にしようと思いました。)
ですが、ここ数年は生地クオリティの担保が難しく、展開が非常に困難な状況が続いています。
その代わりにKUONでは幸呼来Japanさんにご協力いただき、障がい者の皆さんとのプロジェクトで新しい裂織を生産、商品展開を行っております。
幸呼来Japanさんについては、今後ご紹介させていただきます。
今回入手した希少性の高い裂織
今回入手した裂織は大正時代から昭和初期頃の一品。出どころは岩手の寒冷地帯から。この大きな一枚の裂織の生地は、当時の人々が寒さをしのぐために敷物として活用されていたみたいです。
古い時代の裂織で、大きな一枚の生地として残っているだけでも非常に貴重ですが、今回入手した生地は更にスペシャルです。ところどころ見える青い部分は、藍染で染色されております。この藍染の生地を使用した裂き織りがなかなか出てこないらしく、本当に希少性の高い逸品です。
Special One
今回の裂織は、私たちが求めていたクオリティで、大きさも申し分なく、どんなアイテムにも使うことが出来そうです。
そんな素晴らしい裂織なので、まずはKUON Flagship Storeのオーダーメイドで受付させていただくことにしました。気になる方はお気軽に、店頭・DM・メールなどでお問合せいただければと思います。
KUONのオーダーメイドについては、こちらのブログでもご紹介しておりますので、是非ご覧ください。
最後までありがとうございました。
裂織オーダー
受付開始:2021年10月22日(金)~
価格:応相談
※おそらく1名様分だと思いますので、先着順とさせていただきます。