KUON2021秋冬コレクションテーマ。アインシュタインの言葉である、
"Learn from yesterday, live for today, hope for tomorrow"
過去から学び、今日を生き、明日への希望をつなげよう。
正にこの言葉の通りのアイテムです。過去の時代背景と今のご時世がリンクするところなど、ストーリー性のある服です。
今回はそんなアイテムをご紹介いたします。
ちなみにKUONディレクターの畠山さんも一推しのアイテムです。
Random Stripe SASHIKO Blouson
KUONのモノつくりの背景にある刺し子織りの生地を使用しており、この刺し子をツイードに見立てたブルゾン。『刺し子なんだけどツイード』これが実は新しい発想で、刺し子織りとKUONのデザインの新境地開拓を感じさせてくれます。
店頭でお客様がご試着をしている際に気づいたのですが、太い刺し子糸が施されている箇所に照明や太陽光が当たると光沢がでて、何か装飾品を纏っているような感覚です。
前端とカフス端部分にはクラシックな装飾品に多用されるベルベットやサテンなどのテープが施されております。
こちらの装飾をよく見ていただきたいのですが、左右で装飾のテープを変えていて遊び心が感じられます。ランダムなんですが、色相をまとめることで上品にまとまっています。
スッキリとしたシルエット&軽い生地が相まって、コートのインナーにストレスフリーで着用出来るのも嬉しいです。
インナーに着用しても、立体感のある生地とテープ装飾が覗いてしっかりと存在感を放ってくれます。
衿裏にはスロートタブが付いているので防風・防寒性はもちろんのこと、首周りにボリュームが生まれることで、顔をすっきりと見せてくれる効果もあります。
モチーフはシャネルジャケット?
シャネルジャケットの写真を添付できればイメージ湧きやすいと思ったのですが、肖像権の都合もあり貼り付けが難しかったので「CHANEL Jacket」で検索してみてください。「あ~、見たことある」ってなるはずです。
初めにもストーリー性のある服と書きましたが、何故シャネルジャケットがモチーフになったのか含めて書いていきます。
女性の社会進出&パンデミック
時代は1910年代~1920年代にさかのぼります。
1910年代というと、第一次世界大戦が起こった時代。
ヨーロッパでは出征した男性に代わって女性たちが工場で働いたりと様々な労働に従事するようになりました。それまでの女性たちの服装はタイトなシルエットに肩パット、地面すれすれの長いスカート、過剰な装飾で着飾っていたり、男性に代わって仕事をするにはとても不便でした。
そんな女性たちのことを想い、ココ・シャネルはゆったりとしたシルエットで過剰な装飾を取り払い、女性らしさを残しつつも仕事をするには不便ではない洋服を作り、当時の女性たちから多くの支持を得たそうです。
更に、1910年代後半にはスペイン風邪が流行しました。まさに今起こっているパンデミックと近い状況だったと思います。現代では女性の社会進出も当たり前です。そしてスペイン風邪のパンデミックを乗り越えて今があります。
そんな背景やストーリーが今季のKUONのクリエイションに落とし込まれました。
"Learn from yesterday, live for today, hope for tomorrow"
過去から学び、今日を生き、明日への希望をつなげよう。
初めにも書きましたが、2021年秋冬コレクションのテーマが詰まった1着です。
最後までありがとうございました。