日本の伝統的な概念である「ハレとケ」に着目し、「チャグチャグ馬コ」や「さんさ踊り」といった岩手のお祭りから着想を得たコレクション。「ケ」は日々の生活のことを指し、「ハレ」は、お祭りや儀式など、日常から外れたことを指します。伝統的に、この2つのバランスが日本人の生活を支えてきました。非日常である「ハレ」を楽しみに、日々の生活に励む。そうすることえでストレスの多い社会生活を生き抜いてきました。さらにいえば、大変な「日常」があるからこそ「非日常」をより楽しみました。ファッションは元来「ハレ」のために生まれましたが、今では日々の生活をも明るくハッピーにするものです。人々の生活をハッピーにするというKUONの信念を表現したコレクションです。
こんにちは、長谷川です。
まずは、Spring / Summer 2024 "Hare and Ke"のテーマを引用しました。
「日常」と「非日常」
テーマの中に『大変な「日常」があるからこそ「非日常」をより楽しみました。』と、ありますが、目に見えない「日常」と「非日常」との曖昧な境界を、自らの判断で区切り、メリハリをつけていた日本人の伝統的な世界観には、心の強さや豊かさ、さらには真面目さを感じます。
仕事終わりに集まって飲むお酒よりも、節目節目で集まって飲むお酒の方が特別美味しいし、楽しい。メリハリですね。(笑)そして、伝統的な価値観をしっかり受け継いでいるような。。。
切り口を変えると、「非日常」である旅行を存分に楽しめるのも、交通機関の方々や旅館の方々の「日常」があるからこそ。誰かの「日常」は、ほかの誰かの「非日常」。
冠婚葬祭やお祭りはわかりやすい「非日常」ですが、「日常」の中にも「非日常」は存在します。
私の場合、お店の入り口に置いている盛り塩を営業開始前に新しいものに入れ換えると、自然と気持ちが切り替わって「気持ち良いなぁ」って思ったり「今日も頑張ろう」と気が引き締まります。儀式的な感じでしょうか。私にとって「日常」なんだけど「非日常」。
多様な価値観や文化が混在する昨今では、「日常」と「非日常」の曖昧化はさらに進行していて、人によってもとらえ方が全然違うと思います。
あなたにとってKUONは「日常」?
それとも「非日常」?
私にとってKUON、そしてFlagship Storeは日常。ですが、多くの皆様にとってKUONは「日常」であり、「非日常」だと思います。インスタグラムや、ウェブサイトをチェック。このあたりは「日常」ですかね。それともすでに「非日常」でしょうか。
「明日KUONのお店に行こうかな」って思いながらベッドに入り、「今日は何を着て行こうかな」ってクローゼットを漁って、「何を聴きながら」...
お休みの貴重な時間を使って、こうやって色々と考えている時は、既に「非日常」かもしれない。そして、駅からの喧騒を抜け、お店までの飛び石を歩いた先にある重厚なアンティーク扉を開けた瞬間からは確実に「非日常」。
では、買い物の余韻に浸りながらの帰り道はどこまでが非日常でしょうか?Flagship Storeの扉を出るまで?提灯を通り過ぎるまで?駅まで?それとも自宅のドアをあけるまで?
願わくばお買い上げいただいた商品を着た時も「非日常」を思い起こしてほしい。いうなれば「日常」の中に「非日常」を作り出すのがKUONでありたい。
「ハレとケ」なアイテムたち
前述したような曖昧さのある「ハレとケ」という概念がシーズンテーマ。
ファーストルックにも登場する墨流しは、「ハレ」を象徴するようなカラーリングであり、そんな曖昧さをも表現しています。
さんさ踊りの浴衣を裂き織りしたものは、わかりやすい「非日常」の行事の空気を閉じ込めています。けれど、そんな「ハレ」なディテールをスウェットやTシャツなどの「ケ」なスタイルにちりばめることで、「ハレ」なのか「ケ」なのか曖昧に。
こちらはハレとケが表裏一体になったリバーシブル仕様なジャケット。
パッと見た時のデザインはもちろんのこと、これは「ハレ」なのか「ケ」なのか、それともどちらも表現されているのか。。。のように曖昧さを見つけて楽しんでください。そんな二面性や曖昧さもまた日本ならではの美意識です。
それでは、「非日常」をお店でご体験ください。
皆様に「非日常」を楽しんでいただけるように全力で「日常」を頑張ります。(笑)
最後までありがとうございました。
2024年春夏コレクションはこちら。