こんにちは、KUON Flagship Store マネージャーの長谷川です。
今季のコレクションの中でもひときわ目を引く裂織。
特に今季の裂織アイテムたちは新鮮に感じていただけていると思います。
裂織自体はグリーン系の色だけで構成されていますが、コットン、ポリエステル、アクリル、ナイロン、ウール、ポリウレタン等、表情の異なる素材を組み合わせているので、光沢のある部分があったり、マットな部分があったり画像で見るより表情豊かで存在感抜群です。
配色のイメージソースは闇深い森。デザイナーの頭の中のイメージをもとに、幸呼来(さっこら)Japanさんの手作業で織り上げられます。デザイナーのイメージをPC上で見せてもらいましたが、仕上がった裂織はまさにイメージ通りでした。幸呼来Japanさんとの阿吽の呼吸を見ました。
幸呼来JapanさんとKUONの裂織については、こちらでご紹介してますので、ぜひご一読を。
今季の裂織アイテムの中でもメインのスカジャン。
そのインパクトからどうしても裂織に目を奪われがちですが、実は他の部分にもデザイナーの意図が詰まっています。今日はその中から何点かご紹介します。
まず、リブ。裂織に合わせてグリーン系統の糸で編み立てています。
ライン入りです。リブにラインを入れることは定番的なデザイン手法ですが、実はKUONでは採用してきませんでした。では、なぜ今季のリブはライン入りなのか、答えはシーズンテーマにあります。
そんなリブもフロントから見ると裂織のインパクトに霞みがち…ですが、後ろから見ると…
いい仕事してます!
そして、ボディに光沢を抑えた生地を使用しているので、スカジャンのもつ嫌なヤンチャさは皆無。後ろ姿はトラックジャケットのような着やすい雰囲気を感じさせます。
次は袖。こちらも2種類の生地を切り替えていますが、ただ切り替えるのではなく、パイピングコードを使用して境界線を強調しています。
『境界線を強調?』
どこかで聞いたことありません?
そう!金継ぎインスパイアのテクニックです。境界線にパイピングが入るだけで横から見たときの袖の見た目が格段にスッキリします。ご試着のときには、ぜひ横からの姿も確かめてみてください。
裂織とリブが描く『水平方向の線』、パイピングが描く『垂直方向の線』。1着の服の中に存在すると、いくら同系色にまとめてもガチャガチャしてしまいます。
ラグランスリーブ、ポケットの玉縁そして背中と袖のドレープが描く斜め方向の線を散りばめることで見事に調和させています。
裂織に目を奪われがちですが、『神は細部に宿る』を地で行くようなデザイナーなので、一見気づかないようなポイントにこそデザイナーの意図が散りばめられています。ぜひ探してみてください。
余談ですが、裂織アイテムが揃ったら、『店頭の一角に幻覚を見ているかのような、サイケデリックコーナーを作ろう。』と売り場作りをひっそりと楽しみにしております。ブログや写真では伝わりづらい部分が多いですが、お店では魅力を存分にお伝えできる空間に仕上げておきます。ぜひお立ち寄りください。
ちなみに、懐かく感じる方もいるSlap Braceletはバングルとしてはもちろん、自転車に乗るときの巻き込みを防いでくれる機能的なアイテムでもあります。裂織の魅力を体感するにはおすすめアイテムです。
遠方でどうしても東京に来るのが難しい方は、近隣のお取り扱いのお店をお調べしてご案内いたしますので、お気軽にお問い合わせください。
最後までありがとうございました。
今季の裂織アイテムはこちら。