こんにちは、長谷川です。
ご好評いただいているKUONオリジナルのお香"KUON Incense Sticks"を調香してくれた、東京香堂のペレス千夏子さんがKUONの店頭でワークショップを開催してくれました。
その際、東京香堂のペレス千夏子さんと代表の藤原にKUONオリジナルお香に対する思いや、別注に至った経緯などお聞きしたので、対談形式でお届けします。
対談内容
1.KUONのお香を作った経緯
2.KUONオリジナルお香こだわりのポイント
3.東京香堂さんについて
4.ペレス千夏子さん自己紹介
1.KUONのお香を作った経緯
長谷川(以下、長):ペレスさん本日はお忙しいところありがとうございました。ワークショップとても楽しかったです。それでは早速、ペレスさんと藤原さんにKUONオリジナルお香について色々お聞きしていきたいと思います。
ペレス氏(以下、ペ)&藤原さん(以下、藤):よろしくお願いします。
長:では、先ず藤原さんからKUONのお香を作った経緯を教えてください。
藤:去年の9月末にお店をオープンした際に、やっぱり『いいお店にはいい香りがある』と思っていて、そこは実はすごくセットなんですね。僕が好きなお店にはいい香りが必ずあって…例えば有名な所でいえば、パリのコレットなんてやはり『あの香り』っていうのがあるじゃないですか。
ペ:うん。ありますね。
藤:ギャルソンにしてもそうだし…なので、『良いお店になるためにはもちろんいい商品がある』っていうのは大事なんだけど、それ以外の特にうちの場合は直営店なのでブランドを体現するシグネチャーの香りが絶対的に必要だと思ったので、『香りを作ってみたいなぁ』というところから始まりました。それを考えたときに今だとアロマとか結構色々あるじゃないですか。
ペ:ありますね。
藤:あれじゃないなって僕は思って…KUONというブランドの成り立ちから考えたときに『お香しかないよね』っていうところですね。
ペ:何社かお香屋さんに聞かれてたんですよね?
藤:そうです。一応お香を作るにあたって全然わからなかったから先ずオリジナルでお香を作れるところをいくつか問い合わせはしましたね。
ペ:あ、そうだったんですね。やっぱりお香屋さんによっては全然違かったですか?
藤:全然違います。すごく業務的な所もあれば…4社ぐらい聞きましたね。でもやっぱ、お店をオープンしたときにお店用にサークルさんから青竹(東京香堂さんのお香の名前)を買っててめちゃめちゃ好きでずっと焚いていたので、『ペレスさんのところは間違いないな』ってそんな感じです。
ペ:ありがとうございます。なるほどー。
長:ありがとうございます。
2.KUONオリジナルお香こだわりのポイント
長:それでは、KUONオリジナルお香のこだわりについておふたりからお聞かせください。
藤:僕のこだわりはもうあのー『スンッとした香り』っていう…それしかオーダーしていないですね(笑)
長:ほんとにそれだけなんですね(笑)
ペ:すごく難しかったですよ(笑)
すごい難しかったですけども、KUONさんの服からくるインスピレーションはすごい感じたので、そこから西洋と日本をMIXしてうちのよくやるパターンというか…『うちがよくやっているクリエイションで作りたい』って思いましたね。
なので、フレグランスのように作って最後は日本でフィニッシュするみたいな感じですね。
長:はい。ありがとうございます。
実はペレスさんに作っていただいたKUONオリジナルのお香は1周年記念のノベルティで顧客様にお配りしていたんですが、その時の顧客様が発売後既にお求めになられているので作っていただいて本当に良かったです。
ペ:ありがとうございます。
3.東京香堂さんについて
長:ペレスさん東京香堂さんってどんな会社?ブランド?なのか教えてください。
ペ:東京香堂はお香の価値を上げていきたいという想いで作ったブランドで、私は元々お香屋で生まれた3代目になるんですけども、お香の価値が仏か雑貨かっていうこの2つしかない所にすごく違和感を感じていて、『もっとフレグランスのようにアーティスティックにやっているお香屋さんがあってもいいのではないかなぁ』っていう風に想って立ち上げたのがきっかけです。
お香の世界をもっとフレグランスのように世界が広がるようなクリエイションをやりたいと思ったので、南フランスのグラウスに行って独学でお香の世界を作っていった感じですね。
藤:お香については実家の背景は使っていないんですか?
ペ:使ってないです。
藤:へー
ペ:実家のお香屋は卸なので製造はしていなかったからほぼ独学で今のスタイルは作っていきました。
もちろん教えていただいている方たちもいる中で、西洋と日本の技術をどうやってブレンドしていくかっていうのが、研究しながらではないと難しかったってところはありますね。
藤:普通のお香屋さんっていうのは、ペレスさんが工房でやっていた香りの調香のところ…あれはないんですか?
ペ:いや、お香屋さんによってなんですけどもちろんあります。ただ、調香の部分は皆さんどうやってやっているかは企業秘密だと思います。
藤:そうなんですねー。
ペ:なので、それがお香屋さんの特色というかそれぞれのブランドの特色になってくるので、そこはあまり表に出てこない部分。
藤:じゃ、あそこが一番大事っちゃ大事ってことですね。逆にメーカーもしくはブランド、人によってお香のつくり方は違うということですね?
ペ:そうですねー。多分違うと思ういますね。
藤:お線香の有名どころの毎日香とかあるじゃないですか。あーいうのもお香の香りをペレスさんのように調香していくんですか?
ペ:調香師は絶対にいると思いますね。どうやって調香しているかは私たちはわからないんですけども、調香師さんは表に出てこないだけでいると思いますね。
藤:調香師さんて日本でなろうとしたらどうやってなれるんですか?
ペ:調香の学校が日本にはあって…あとは私のように海外で、フランスに限らずイギリスとかで学ばれている人が多いんじゃないですかね?
藤:今お香の業界に入ってくる人って少ないですか?海外で勉強したら香水の業界にいくでしょ?
ペ:そうですねー。香水とかアロマですね。アロマ業界の調香師はよくお会いしますね。
藤:そう考えるとお香系の調香師さんってレアキャラっすよね(笑)
ペ:レアですねー。ニッチすぎて(笑)フランスで修行してた時もお香屋さんをやるのはかなりニッチだし、難しいと思うって言われてましたね。でも、『日本人に生まれているから文化を背負った香りはフランス人には出来ない』って言われたので、じゃあやるしかないなって。
藤:そうですね。一番日本らしい香りといえばお香が持っているわけですもんね。
ペ:はい。そうですね。
長:ありがとうございます。
4.ペレス千夏子氏自己紹介
長:それでは最後にお話しできる範囲で大丈夫なのでペレスさんについて教えてください。
ペ:お香屋の3代目で生まれているんですけども、元々は家業を継ぐ予定は無かったので美大を出てテキスタイルのデザイン事務所にお世話になってました。そこで、ファッションにまつわるテキスタイルの部分に携わっていたんですけども…
震災がきっかけで色々なタイミングが重なって『やってみようかな』って思いました。今まではテキスタイルで目に見えるモノをずっと扱っていたので、『見えないし、触れないし』っていうところで恐怖でしたね。
それで、妹が元々家業を継いでいたので妹が家業としてやっていないことをやろうと思ってフランスに行きました。
藤:フランスに行ったのはいつ頃なんですか?
ペ:2012年にグラウスに行って1年間学校で勉強して、卒業後にフランスの香料会社でお世話になりました。そこでジョフレ(旦那様)とも会ったんです。
そこにいた期間はすごく大事だと思っていて、数多くの原料を見させていただいて、実は最初に作ったモノのいくつかは南フランスで作りました。仕事が終わった後に2時間だけラボを使わせていただいて調香してました。
藤:東京香堂というブランドが出来たのはそのタイミングですか?
ペ:厳密に言うと妹たちが実はやっていたんですよね。今とは全然違う舞台・スタイルでやっていたんですけども、屋号を引き継いで始めたのが2014年です。
藤:それは日本に帰ってきて?
ペ:はい。屋号を引き継いだだけで、まだビジネスがスタートした段階ではないです。その時に妹がやっていたビジネスを終わらせてもらって、そこから独自でやっていくと決めて一人でやってました。
藤:そうなんですね。ジョフレさんはいつ来たんですか?
ペ:ジョフレが入ったのが2018年ぐらいです。その辺が曖昧ですけど…
藤:その時から工房はあったんですか?
ペ:無かったです。なので、2016年ぐらいに先ず小さい研究する場所を作りました。2018年以降にジョフレがいる場所を作りました。
藤:なるほどー。
長:東京香堂さん誕生の貴重なお話がお聞き出来て良かったです。ありがとうございます。
最後までありがとうございました。
KUONオリジナルお香については、藤原さんがKUON公式noteにアップしているので是非ご覧ください。
HP:東京香堂
Instagram:@tokyokodo_jp