有松絞り

有松絞りとは

[こちらの記事は2023年7月29日に公開したものを再編集したものです。]

こんにちは、長谷川です。

2023秋冬コレクションは既にご覧いただけましたでしょうか?

まだ、ご覧いただけてない方は是非一度ご覧いただけますと幸いです。
Fall / Winter 2023 -Voice From The Snow-のLOOKも合わせてご覧ください。

・Fall / Winter 2023 LOOK

・Fall / Winter 2023 Collection

まだまだこれから納品されるアイテムもございますが、LOOKでも度々登場してくる有松絞りのアイテム達はインパクトも強くて今季のキーになっていると思います。

それでは早速、有松絞りについて書いていきます。

有松絞りとは?

『有松絞りって?』って、方もいらっしゃると思います。
先ずは有松絞りとは?から書いていきますのでご安心ください。

愛知県名古屋市有松町でつくられる、布を絞って染める絞り染め技術の総称を『有松絞り』と言います。

江戸時代に誕生して以降人々に愛され続けてきた有松絞りは、1975年に国の伝統工芸品に指定されております。

有松絞り

全ての工程が手作業の為、非常に手間と時間のかかる有松絞り。日本の伝統技術や昔の人々の精神を洋服に落とし込むKUONのクリエイションと、非常に相まっていると思います。

有松絞り

有松絞り
(上記は有松町の街並みです。)

有松町の街並みは、日本建築の美しさを今に伝える貴重な文化財です。
そんな美しい街で有松絞りは行われております。

何故有松絞り?

『何故有松絞り?』

私の個人的な疑問をデザイナーに問いかけました。

LOOKのページでも記載されておりますが、
今季のテーマはデザイナーの出身地、岩手県の雪(冬)からインスピレーションを受けております。

岩手県の冬は、
雪が積もり、空気が澄んでいて、積もった雪で雑音は遮られて静かで、月明かりに雪が反射していつも以上に辺りが明るく見え、勝手に様々な情報が入ってくる東京の街とは違い、五感を刺激されたそうです。

『何故有松絞り?』

デザイナーが感じた、岩手県の雪の降る風景や雪をストライプで表現したかったから、機械的なストライプではなく、雪の儚さを有松絞りの持つニュアンス的な美しさで表現したいと思って有松絞りを選んだそうです。

有松絞りを見たときにとても納得しました。

有松絞り

有松絞り

ちなみに、
KUONでは私が入る前にも有松絞りを使用したことがあったそうです。

有松絞りの工房&作業風景

最後に有松絞り工房と作業の様子をお届けします。

有松絞り
絞り染めする間隔ごとに印をつけて、2.5mの生地を蛇腹に折って固定。

有松絞り
筒状のモノに蛇腹に折った生地をきつく巻いて

有松絞り
折り目の部分のみ染まるように、紐とテープできつく括り付けていきます。
ここまで全て手作業。
細かい作業だし力も要する作業です。
(白い生地は染色ですが、黒い生地は抜染して柄を入れています。)

有松絞り

染色(抜染)する前に、折り目をつけるめに付けた印を落とします。
また、生地に水を吸わせることで染料を吸収しやすくなります。

有松絞り
染色(抜染)する溶剤が入った高温の鍋の中へ、筒にきつく括り付けた生地を入れて、ジャブジャブと染色(抜染)していきます。

有松絞り
充分に染色(抜染)が出来たら綺麗な水につけて、溶剤を落としていきます。

有松絞り
きつく括り付けた糸をほどいて、キズの有無を確認します。

絞り部分の裏側から湯気をあてて生地を均等に伸ばして、乾かしてやっと有松絞りの生地が完成です。

絞り染めする箇所の印付けも、均等に蛇腹折りしていくのも、本当に時間のかかる細かい作業。
筒に生地を括り付けるときに、圧が弱すぎると折り目部分以外のところも染まってしまう、力と技術のいる作業。

染色(抜染)の鍋につける時間が長すぎると染まりすぎるし、逆に短すぎると色が染まらないし、長年の経験と技術が詰まっています。

染色(抜染)の弱い箇所、色ムラなど1点1点表情が異なるのも有松絞りの面白さ。

職人さんの手仕事だからこそ成せる技を、是非一度ご覧いただけると幸いです。

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有松絞り

有松絞り

有松絞り

有松絞り

最後までありがとうございました。

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