こんにちは、長谷川です。
東京タワー・高層ビル群・空の色の配色を『刺し子織り』によって表現しているのが、2021秋冬コレクションの紋刺し子。
何回もお伝えしていますが、立体的でモヤっとした表情に感動します。
毎日店頭で見ていますが、見るたびに感動しているので、改めて今季の紋刺し子についてご紹介させていただきます。
『刺し子』『刺し子織り』
そもそも『刺し子』とは、日本に古くからある伝統手芸です。
衣服の補強や保温はもちろんのこと、魔よけ・商売繁盛への願いや祈りを込めた装飾のために重ねた布へ手で針を入れていったのが始まりと言われています。
この『刺し子』を織り機で表現する技法が『刺し子織り』です。民藝運動のさなか、民衆の暮らしの中にある『刺し子』の美しさから『刺し子織り』は生まれました。
三和織物
そんな刺し子織りですが、KUONでは長くお付き合いさせていただいている、福島県三和織物の大峡健市(おおはざま けんいち)氏とともに刺し子織りの生地作りをおこなっています。
明治から数えて四代目に当たる織り手の大峡建市氏は、民藝運動の創始者・柳宗悦氏の甥の織物染色家・柳悦孝氏に教えを受けて織物の技術を身に着け、機械織りの刺し子を確立しました。1979年に日本民藝館賞を受賞した経歴の持ち主です。
機械織りとはいいつつも、気温や湿度に合わせて織機を調節しながら織りなす工程は、手作業のように地道で手間がかかります。実際に「刺し子織り」で織り進められるのは1時間に1m程度…手織りと同じようなスピードです。
今、KUONの店頭にある紋刺し子シリーズは職人の手仕事なくしては成立しません。男心をくすぐる服にはくすぐるだけの理由があるとは思っていましたが、この背景を聞いてしまうとより魅力的に見えてきます。職人の培ってきた技術と経験が加えられた服は、一種の芸術品のようにも感じます。
『紋刺し子』2021秋冬バージョン
初めにも書きましたが、
今季は、東京タワー・高層ビル群・空の色を『刺し子織り』で表現しています。もちろんKUONオリジナルの配色です。デザイナーの石橋さんが糸とPCモニターとにらめっこしながら考え、大峡さんの手によって具現化されました。
伝統的な『刺し子織り』の技法+現代の街並み
昔の人々の知恵と技術を使用して今の東京の街並みが表現されているところにロマンを感じます。
写真と言葉だけだと伝えきれないのが悔しいです。
お近くの方は是非見に来てください。
紋刺し子を使用したアイテムはこちらから。
最後までありがとうございました。