FALL/WINTER 2021

"Learn from yesterday,
live for today,
hope for tomorrow."

2021年秋冬シーズンのコンセプトは、アルバート・アインシュタインの言葉を引用しました。COVID-19が流行し始めた頃、私たちはすぐに状況が好転することを期待していました。しかし、想像以上に深刻化し、影響が広がっていきました。日本からの出国はおろか、東京からの動きも制限されました。この機会に過去の困難や大きな変化を人類がどのように乗り越てきたのかを見つめ直し、その歴史をヒントに3つの要素に注目したコレクションを制作しました。

[Color]

今から200年前の江戸時代、日本では庶民の服の色が政府によって厳しく規制されていました。男性も女性も茶色、灰色、藍色しか着ることができませんでした。しかし、庶民は創意工夫を凝らして様々な色のバリエーションを生み出し、それぞれ100色以上の色調を発明しました。今回のコレクションでは、ブルー、ブラウン、グレーの3色に限定し、光沢感の異なる同系色の生地を使用することで、日本独自の色彩感覚と抑圧から生まれる創造性を表現しました。

[Motion]

1920年代、女性の社会進出が進み、ライフスタイルが変化していきます。派手な服の下に着るコルセットから、余計な装飾を排した動きやすいシンプルな日常着が重視されるようになりました。このように人々のライフスタイルの変化に伴い、衣服の役割も変化していきます。パンデミックの影響から家にいる時間が増え、着やすい服が好まれるようになりました。今回のコレクションでは、動きやすさとエレガンスを両立することを目指しました。KUONが得意とする日本の伝統技術とリラックスしたカッティングに、サテンやグログラン、ベルベットなど古くからエレガンスを象徴する生地を組み合わせています。

[Layering]

十二単に代表されるように、日本では古来から生地や素材・色の組み合わせや重ね方が重視されてきました。それは「侘び寂び」と呼ばれる独特の美学を構成するひとつの要素となります。そこからインスピレーションを得て、裾や袖口、袖がレイヤードされたスタイルを制作しました。それぞれのアイテムは一枚の服として完成していますが、レイヤードすることでさらに新しいスタイルが生まれます。

KUON FW21 LOOK-1
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Direction&Styling: Ryota Yamada
Video: Yuki Furue
Photo: Daiki Endo
Hair&Make Up: AMANO
Music: Ankoku Nira
Models: Fabian, Riku Tanaka